ジャズピアニストの山下洋輔さんのソロライブを、わずか13名で堪能させて頂くという、貴重すぎる、そしてありがたい機会を頂きました。
御歳78歳、白いシャツに黒のベストというお馴染みのスタイルで、最新作のソロピアノのアルバム「Quiet Memories」の曲を中心に演奏。スタインウェイの美しい音色、鍵盤の端から端まで使い、繊細なフレーズからダイナミックなリズムまで縦横無尽に展開する即興演奏に圧倒されました。
今までに、エッセイもいくつか読んでいましたし、若い頃の激しいプレイのイメージから、どんな演奏&トークが展開されるのか、期待でワクワクしていました(^^)。
語り口はとても穏やかですが、お話は期待どおりの楽しさ♫ 落語の寿限無(じゅげむ)にメロディーをつけた”JUGEMU”という曲や、スズメの鳴き声を再現したような”竹雀”、自由に弾いた即興演奏の録音を後から聴いたらピロリピロリ〜、と聴こえたから”ピロリー”など(笑)、曲をつけたエピソードも、ユーモア満載。
なるほどなぁと思ったのは、「世の中でジャズスタンダードと言われている曲のほとんどは、最初からジャズスタンダードだったわけではないのですよね。流行歌とか童謡とか皆が知ってる有名な曲を、ジャズミュージシャンが面白がって演奏したものが喜ばれて、もう一度演って!とリクエストが繰り返されてスタンダードになったものが多いのですね」という事。
そもそもジャズって何?を考えさせてくれるような話でした(^^)。
山下洋輔さんのエッセイで印象に残っているのは「ピアニストを笑うな!」という本の中のアントニオ・カルロス・ジョビンのボサノバの誕生と流行についての話。オリジナルを生み出すアーティストへの深い洞察に感動しました。
数メートルの至近距離で山下洋輔さんの演奏を聴きました。ご年齢を考えると、2度とこのような夢のような体験はできないと思い、指の動き、腕の動き、身体の動き、音の響き、すべてを耳と目に焼き付けた私なのでした〜(^^)。
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