「下村観山展」を鑑賞

「下村観山展」を、東京国立近代美術館にて鑑賞してきました。

下村観山は「とにかく巧い画家」という印象を持っていましたが、今回まとまった作品を拝見し、その認識は良い意味で裏切られました。

どの作品も驚くほど精緻でありながら、どこか匂い立つような気配を宿していて……ただ巧い、では言い尽くせない深みがあります。その美しさに、静かに心を揺さぶられました。

会場では、細部の筆致をより味わうための「単眼鏡」の貸し出しも。作品の密度の高さを物語る、興味深い演出です(今回は借りませんでした(^^;;)。

また、徳川家に仕えた能楽師の家に生まれたことを今回初めて知りました。能を題材にした作品が多い理由が、すっと腑に落ちます。

晩年に至るまで、渋沢栄一をはじめとする支援者に恵まれ、イギリス留学や古画・中国絵画の研究を重ねながら創作を続けた歩みも印象的でした。伝統と探究、その両方を抱えながら描き続けた画家だったのですね。

中でも心に残ったのは、筍の作品。

体調を崩した57歳のとき、病床で一週間かけて描き上げた絶筆とのことですが、その一筆一筆には衰えを感じさせない力が宿り、筍そのものが地面から突き上がるような生命感に満ちていました。とても好きな一作です。

5/10(日)まで、東京国立近代美術館にて。

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